東京もようやく春らしい陽気となってまいりましたね。この春、音高や音大に見事合格された生徒さんから送られてくる写真と喜び溢れる文章に、今日も私は元気をもらっています。私のもとには副科ピアノとソルフェージュのレッスンを受けにいらっしゃる生徒さんが多いのですが、2〜3年間一緒に勉強し、みなさん志望校への合格を勝ち取ってくれています。今年は芸高に1名、芸大に2名、国立音大に1名、計4名の受験生から喜びの声が届きました。今日は音高・音大受験に特化したソルフェージュレッスンについてお話ししたいと思います。
そもそもソルフェージュとは?
受験のための要項を見ても『ソルフェージュ』という単語は明記されていない場合が多いのですが、とてもとても大事で、声楽科でもピアノ科でも管弦打楽器科でも…専門に関わらず必須となるのがソルフェージュです。
ソルフェージュ(フランス語: solfège)とは西洋音楽の学習において楽譜を読むことを中心とした基礎訓練のことである。類義語にリトミックがあり、どちらも広い意味においては音楽を学ぶ者すべてがその専門にかかわらず修めるべき基礎訓練全般を指すが、リトミックは体の動きと音とを結びつけたリズムを中心とした訓練を指すのに対し、ソルフェージュは楽譜を中心とした音楽理論を実際の音に結びつける訓練を指す。これらの訓練を通じて得られる能力、特に読譜能力はソルフェージュ能力と呼ばれる。(Wikipediaより)
科目別に例をあげると…
- 聴音(旋律、伴奏付き、2声、4声、etc.)
- 新曲視唱(視奏)
- 楽典(音楽理論)
主にこの3科目があり、受験する学校や専攻によって必要となる科目数や出題傾向が変わってきます。例えば聴音1科目でも旋律聴音のみの学校もあれば、4声まで必要な学校もあったり、旋律のみですが指定回数を聴き終えてから書かなければならないが『記憶聴音』が出題される学校もありますので、志望校に合わせた準備をしていく必要があります。
志望校を絞ることが合格への近道となる
一般的に受験、特に大学受験の場合は『滑り止め』のために複数校受験することが普通かと思いますが、音大の場合は違います。受験科目をよくよく調べてみなければ受験校を増やしたことで落ちる可能性が高くなることもあるのです。滑り止めを考えるのでしたら、志望校の受験科目・受験曲目が増えないことを大前提に受験校を選ぶ必要があります。課題曲に関しては指定の選択肢群に第一志望校の受験曲が含まれていること。ソルフェージュに関しては科目が増えないことも優先的に考慮するべきとなります。早めに受験校を1つに絞り、併願可能な学校を探しておくことがとても大切となってきます。
自分のウィークポイントを知り失敗を減らすためのレッスン
私が日々のレッスンで大切にしていること、それは毎回の課題により多く正解することではありません。失敗に着目し、分析して訓練を積み、欠点を無くしていくことを大切にしています。その為に私が必ず行うのは注意深く観察することです。時には音符の書き方や線の引き方をアドバイスしたり、筆記用具を別の物にするようアドバイスすることもあります。合格するためのレッスンと言うよりは、失敗を減らすレッスンを目指しております。しかし結果それが合格への近道となる確信を持っております。
演奏に直結するソルフェージュ
いくらソルフェージュを勉強して力を上げても、それが演奏に生かされなければ意味がありません。しかし自分の知識やソルフェージュ能力を演奏に活かすにはちょっとした、本当にちょっとしたコツが必要な場合が多くあります。私のレッスンではそんなちょっとしたコツを日々の訓練の中で伝えるようにしています。学ぶ本人が『こりゃすごい!』『これは必要だ!』と実感できなければ会得できないからです。力がついてきたと実感してもらうことがモチベーションを上げることにつながり、本当に大変な受験を乗り切る原動力にもなりますし、それらの音楽的経験が単なる『受験勉強』で終わるのではなく本当に身につくのだと思っております。
私の元を巣立った生徒さんたちもようやく専門学習を始めるスタートラインに立ったにすぎません。どうかいつまでも喜びをもって音楽を学び続けて欲しいと切に願っております。合格・入学、おめでとう!!!