本日は新大久保のスペースDo(管楽器専門店ダクさん)にて開催された、クラリネット奏者山内利紗さんのリサイタルを拝聴してまいりました。
利紗ちゃんとは以前クラリネットドュオコンサートの伴奏を弾かせていただいた際にご一緒しまして、以来数々のマスタークラスや公開レッスンでお見かけし、いつも本当に意欲的に勉強なさる姿に関心し、注目しておりました。
使用楽器をイタリアのリパに買い替えて以来、Risa x Ripa と銘打ったリサイタルシリーズを開催なさっており、今回がその2回目でした。1回目は残念ながら自分も別ステージに立っていた為伺えませんでしたが、今回はスケジュールを調整できたので、後輩を誘ってウキウキ聴きに行ってまいりました。
まず特筆すべきは開演前から圧倒されたプログラム構成かと思います。
テクニックが必要なのは勿論のこと、このプログラムに一番必要なのは体力!!テクニック的にも至極難しい曲目ばかりなのでテクニックが足りない方は演奏してみようとも思わないことでしょうけれど、とにかくタフな曲目がずらりと並んでおり、テクニックをお持ちのクラリネット奏者の方々でも寒気がしたのではないでしょうか。
日本ではクランポンやセルマー、ヤマハの楽器の音色が大多数な中、とても珍しい楽器と恋に落ちた彼女。
その音色は強く暖色系の芯があり、響きもふくよかで、高音・低音での音程のムラも少なく、リパというクラリネットに対する彼女の熱い想いが通じ晴れて相思相愛な関係になれたことがよく伝わる、そんなリサイタルだったように思いました。
ピアニストの松山さんの演奏は今回初めて拝聴しましたが、一音一音をとても丁寧に綺麗に重ねていらっしゃると感じました。同時に発する音の距離感に緻密さを感じ、とても羨ましく思いました。すごく好感を持てる演奏で、ぜひ他のプログラムも、他の楽器との共演も拝聴してみたいと思いましたので、どなたかお声掛けください。(笑)
タケダトモコは常に自分のことで脳がオーバーヒートしておりますので、どなたかが「そういや武田さんが松山さんの演奏をまた聴きたいって言ってたなぁ」なんて覚えていてくだされば此れ幸い。お誘いお待ちしております。
どうしても耳がピアノにばかりいってしまうのですが、今回はお2人のアンサンブルも絶妙で、演奏のクオリティをより高めていたように思えました。
また、リパのEs管での演奏を聴けたのもとても良かったです!
カペッリ作曲の椿姫ポプリ、私はまだ演奏したことがありませんが、有名なメロディーが一切出てこないんですよね、この曲、斬新!(笑)オペラを一本知っているからわかる旋律の数々。決してキャッチーなメロディーは登場せず、Esクラでこんな演奏ができるのかー!と驚かせてくれる作品です。
そんな楽曲をRipaのEs管で聴かせて頂き思った事は、B管に聴こえたという事。Es管独特だと思っていた甲高い音色や音程の不安定さが全く無く、低音は本当にB管かと思ったほどでした。これは一聴の価値がある!
最後を安定のプーランクで閉めたことも、アンコール曲でホッと一息つけたこともとても好感を持てました。
とても大変なプログラム構成を演奏しきった利紗ちゃんの精神的タフさ、そして忙しい毎日の中で自分の勉強の為に強く自分を律して行動できる彼女の向学心に、心からの敬意を表したいと思います。
vol.3も心待ちにしております。